こんにちは、nocotoです。
今回は10年ほど前のお話をします。
今の私達夫婦はアラフィフですが、当時はアラフォーでした。
10年前と今とでは時代が大きく変わり、働き方も急速に変化しています。
副業を始める人や、企業からは早々に退社してフリーランスとして独立する方も増えています。
以前にも起業する時の記事を書きましたが、できれば夫が独立してほしくなかった私が、気持ちをどう変化させていったかを、もう少し詳しく記しておこうと思いました。
おそらく私のように、夫の独立を不安に思っている人は増えているのではないでしょうか。
少しでも参考になればという気持ちで書きます。
私が夫の独立を反対する理由
夫から、独立したいと相談された時は、ついに来たか…、という感じでした。
そういう気持ちがあることは分かっていたので。
心の中では「嫌だ」と即答していました。
なぜかというと、私の実家が会社経営をしていたのですが、バブルがはじけてからはうまく行かず、大変な状況を目の当たりにしていたので…。
最後も倒産という形で終わっていますから。
結婚するなら絶対にサラリーマンがいいと思っていたし、私の母もサラリーマンがいいよ…、と私に洗脳するかのように言っていました。
一流企業で勤めていた夫と結婚した時には、とても安心感を得られたものです。
子供もいる生活では、その安心感を手放したくないと思うのは当然のことですよね?
夫が独立したいと思う理由
夫が独立したいと思う理由は、数えきれないほどあったようです。
まず一番の理由は、仕事を覚えてしまえば自分でもできるからです。
会社に所属していれば、いくら自分が他の社員よりもいい仕事をしていたとしても、給料が変わるわけではありません。
独立すれば頑張った分の見返りがあります。
管理職という立場になると、責任が重くなります。
部下によって生じたトラブルの、火消し役もさせられます。
これに結構な時間を割かれ、生産性が悪くなり、ストレスが溜まっていきます。
また、会社の方針にも疑問を感じるようになったようです。
独立して自由に働けるようになれば、作業は自宅でできます。
家族と一緒にいる時間が増えます。
夫はそれを強く望んでいたようです。
サラリーマンの時は朝から夜遅くまで働き、家でも作業し、働きづめで本当に大変そうでした。
満員電車での通勤も大変です…。
夫にしてみれば、まだまだ理由はたくさんあったでしょうが、私に言っていたことは以上のような感じでした。
私の心がどのように動いたか?
独立に反対しながらも、夫の気持ちを尊重したいし、やりがいを持って働いてもらいたいという思いはありました。
ずっと働きっぱなしの上、会社からのストレスもたくさんあるだろうに、家ではそんなことをあまり出さない夫。
考えるとかわいそうになります。
独立に賛成してあげれば、夫の夢は叶えられるかもしれない。
でも失敗すれば路頭に迷うことになるかもしれない…。
このフレーズを何度繰り返したことでしょう?
こんなことを日々、グルグルと頭の中で考えていました。
考えても考えても答えは出ません。
私自身がなんだか暗くなっていく感じがしました。
独立の相談を受けてから、実際に退職するまでは、結構長い時間がありました。
1年以上はあったと思います。
その間、夫はじっくりと戦略を練りながら、その都度、私にも考えていることを話してくれました。
話す時の夫は、慎重だけど自信もある様子で。
私はひたすら聞くのみで、反対することはせず、かといってなかなか賛成するとも言えず、時の流れに身を任せていました。
らちがあかない状態が続きました。
苦しかった。
何度も話を聞く中で、独立すれば自由になり、家族との時間が増えるという話も何度も聞きました。
ある時、その話から思い出したことがあります。
私の両親は会社経営をしていました。
自宅兼会社だったので、学校から帰ってきても両親が側にいてくれたことの安心感を思い出しました。
子供もまだ小さかったり、病気の親とも同居していることもあり、夫が家にいることは家族みんなにとっての安心でもあるという考えが浮かびました。
そう思うと、だんだんと私の考え方が前向きになって行ったのです。
夫の能力をストレスなく、最大限に生かしてあげたいとも思えるようになり!
何日も考えているうちに、だんだんと私の気持ちは変化しました。
独立に関して、夫が前もって誠実に相談してくれたこと、戦略をしっかり考えていることが、賛成できる要因になったと思います。
私の実家が会社経営をしていたおかげで、商売に対する免疫が、なんとなく私にはあったのかもしれません。
自分たちで会社をやってみるのって、もしかして面白そう…?
そして私の意識の奥に、潜んでいた思いが徐々に掘り起こされて行ったのを感じました。
結婚前は専業主婦にはなりたくない、働いていたいという思いがあったことを。
私は遠方へ嫁いだため、退職せざるをえなく、子供が生まれてからは余裕がなくなったため、働いていたいという思いはいつの間にか消えていました。
むしろ、この状況で働きに出るなんて無理!という考えになっていたくらい。
しかし独立しようとしている今、末っ子ちゃんも手が離れてきて少し余裕ができ、働くということに意識を向けることができました。
夫と起業して、私は経理を担当し、家でマイペースに仕事すればいいのではないだろうか?
給料ももらえるし、社会保険にも加入できるし!
それは女性にとってすごく魅力的な働き方に感じるようになったのです。
仕事をしていても、子供が学校から帰って来たら、「おかえり」と言ってあげられる。
でも仕事はしている。
いつしか私もワクワクするようになり、夫に同意していました。
もちろん、不安が消えることはなかったけれど、これまで頑張ってきて実績も出してきている夫。
信じるしかない!と覚悟を決めたのです。
それからは二人で起業に関する本を読みあさり、勉強する日々でした。
ワクワクする気持ちのおかげで軽やかに準備は進み、2012年、予定通りの日に起業できました。
ちなみに、会社設立の為の手続きをしたのはほぼ私です。
夫は印鑑を発注しただけ。
私が会社を設立させることができたということも、とても嬉しい経験となりました。
その後、会社は順調で、私はたんたんと経理の仕事をこなしています。
以上になりますが、ご主人の独立で悩まれている方の参考になれば幸いです。
なにか相談事があればコメントをくださいね。