こんにちは、nocotoです。
今回は、夫がサラリーマンで、小規模な個人事業主になりたい主婦向けのお話です。
先日、ママ友Yさんに相談を受けました。
Yさんは子供が生まれるまでは服飾の仕事でキャリアを積んだ人。
芸能人の舞台衣裳の縫製をしています。
子育てが少し落ち着いてきた頃から、以前勤めていた会社からの依頼で、パートとして自宅で仕事をしています。
手に職があるってやはり強いです!
確かな腕があれば、これまでの信頼と実績で仕事が舞い込んで来ますから。
全く収入のない月もあるそうなのですが、忙しい月は30万円は入るようになったらしく、そろそろ自営業者としてやっていこうかと考えているのです。
しかし、収入をどれくらいに抑えればいいのか分からないと困っていました。
また、所得がどれだけ発生したら確定申告しなくてはならないかということも。
ちなみに、Yさんのご主人はサラリーマンで、子供は3人います。
こういう話は苦手な人の為に、できるだけ分かりやすく説明したいと思います。
小規模な個人事業主になる場合
収入は増えてきたものの、扶養から外れてしまうことを考えると、今後どれくらいの収入に調整したらいいのか分からないといいます。
扶養という税制的、保険的な縛りが、主婦達の働き方を大きく左右しています。
具体的にいくら稼ぐと扶養から外れてしまうのかということを、しっかりと理解しておきましょう。
【税制上の扶養を外れるのは所得が38万円以上の場合】
税制上の扶養を外れるということは、所得税・住民税を支払わなくてはならないということ。
ただし、扶養を外れても年間合計所得123万円未満は配偶者特別控除の対象となりますが、児童手当との兼ね合いがどうなるのかは確認が必要。
また、所得が38万円以上あるならば、確定申告の義務があります。
<ここで言う所得とは>
収入-経費-(65万円)=所得
まず収入から経費を差し引きます。
青色申告(後で説明します)の場合は更に65万円が所得から控除できます。
<経費とは>
パソコン代や通信費・光熱費などの個人名義の経費など、事業に関わるものは入れることが可能です。
オフィス兼自宅であれば、事業に関わる割合だけ見積もり、算入します。
例えば電気代1万円で30%と見積もるなら、3,000円を経費にできます。
<65万円とは>
65万円というのは青色申告の控除額ですが、申告の種類によって異なり、0円の場合もあります。
申告の種類
●青色申告の場合は65万円の控除を受けられますが、それには複式簿記の知識が必要で、更に一定条件をクリアした場合に有効。
●青色申告でも、簡易簿記の場合は10万円の控除なので、
【収入-経費-(10万円)=所得】ということになります。
●白色申告の場合は控除なしなので、
【収入-経費=所得】ということになります。
収入が少ない人は白色申告の人がほとんどのようです。
2014年1月からは、全ての白色申告者にも記帳と帳簿類の保存義務が課されるようになりました。
※38万円というのは所得税のボーダーラインです。
住民税はそれ以下の場合があるので、市区町村に確認。
【保険上の扶養を外れるのは所得が130万円超えたら】
個人事業主の場合の130万円というのは、必要最低限の経費を差し引いた所得(粗利)のこと。
経費に関しては、先にお話した税制上の扶養とは異なり、経費に加えられるものが大幅に減少します。
社会保険の扶養で考慮される経費は、最低限のものだけです。
OK:仕入代金・原材料費・人件費(家族分は入れられません)・商品配送費など
NG:接待交際費・広告宣伝費・通信費・光熱費など
健康保険と国民年金とで、ボーダーラインが異なることがある
●健康保険→個人事業主であっても、所得が130万円までなら扶養から外れないという場合もあれば、所得がいくらであろうとも、支払わねばならない場合も!
→夫が加入している健康保険組合に確認!
●国民年金→【収入-経費】が130万円以下であれは、個人事業主となっていても、第三号被保険者として扶養の範囲に入ることができる。
所得が130万円を超えると、国民年金保険と国民健康保険料で年間約30万円の支払いが生じてしまう!
結局どう選択すればいいか?
微妙なラインなら130万円以内に収めておくのが得策と言えるでしょう。
ただし、国民年金には免除制度があること等、他にも複雑に絡んでくる可能性もあり、一概には言えませんが。
私だったら、所得が160万円になりそうなら、130万円の扶養の範囲に収める考えです。
もし所得が180万円なら、扶養から外れてみようかなという感覚です。
ただ!滅多にいらっしゃらないと思うのですが、老後にもらう国民年金の額を増やしたいという方には、違う考え方もあります!
将来受け取る国民年金額を増やす方法
私がかつて金融機関に勤めていた頃は、年金を専門としていましたので、もう一歩踏み込んだ考え方をお伝えしておきますね。
所得が130万円を超え、自分で国民年金を支払うようになると、国民年金基金に加入する権利が発生します。
国民年金基金には、第三号被保険者(サラリーマンの妻)の場合には、加入したくてもできません。
掛金はある程度、選ぶことができ、金銭的にゆとりのある方には、扶養から外れて国民年金基金にも加入するという考え方もあります。
掛金が結構大きく感じるかもしれませんが、将来もらえる年金が、一生にわたって増えること、掛け金が全額、所得控除になることを思えば、最終的に、とてもお得になる可能性は高いです。
それに、厚生年金を支払っているサラリーマンもかなりの金額を納めていると思えば、違和感は感じません。
まとめ
正直なところ、どのパターンがいいという正解はありません。
お金に対する価値観は人それぞれだから。
現在の家庭の経済状況を中心に、今できる範囲を考えると結論が出しやすいでしょう。